☆キットカー・プロジェクト


 本プロジェクトは,実用レベルの自動車の分解・組立てを通して高度で実践的なものづくり教育を行うことを目的としています.題材としている光岡自動車製K-1型キットカーは,登録をすれば公道を走ることもできる実用レベルの自動車です.はじめに,完成した状態にある車をねじ1本の状態になるまで分解することで,各部分の機構などを理解します.次に,それを組立ててエンジンなどの調整を行ったり,独自に改良を加えたりすることを通して,設計上の工夫や材料選択,加工方法など機械システムに対する総合的な考察を深めます.そして最後に試乗会を開催し,自分たちが組立てた自動車を自分で運転することによって,やり遂げた喜びが実感できます.
 例えば機械工学科で開講されている『機械工学実習』の授業でも小型エンジンや普通旋盤の分解・組立ての課題があり,内部の機構や部品の加工方法などについて考えながら作業するように授業が計画されています.しかし,時間的な制約のため,機械システムに対する理解や考察は十分とはいえない面があります.本プロジェクトはそのような入門的な授業に続くより高度な実習教育として位置付けられており,参加者一人一人が主体的にじっくり取り組めることが特徴です.また,当センターの他のプロジェクトのように設計から製作,運用までを行うさらに高度な活動への橋渡し役となることで,学部1年の入門レベルから大学院レベルまでの段階的なものづくり教育の構成に寄与しています.
 平成14年度の参加登録学生は機械工学科1年生を中心とする15名です.スケジュール管理も含めて学生達が自主的に自由に活動する方針のため,教職員が相談にのるのは部品が壊れた(壊した?)ときぐらいです.前身となる活動は機械工学科の少人数セミナーとして平成12年度から始まりました.1年目はわからないことが多く苦労しながらもなんとか平成14年度の参加登録学生は機械工学科1年生を中心とする15名です.スケジュール管理も含めて学生達が自主的に自由に活動するとなる活動は機械工学科の少人数セミナーとして平成12年度から始まりました.1年目はわからないことが多く苦労しながらもなんとか完成させ,無事に試乗会を楽しむことができました.ところが2年目は試乗会の途中でエンジンが動かなくなってしまい,ボルトがきちんと締まっていなかったことが判明しました.3年目の今回はついに「完成したらナットが一個余った」という事態が発生し,近々行う予定の試乗会で何が起きるのかハラハラさせてくれます.