センター構想の概要


構想図

 本センターでは,活動目標として,次の3つの柱を揚げております.

 その1は,学内教育に対しての活動です.学生・院生を対象とする工場における実践実習教育をより一層充実します.また,教員等への研究機器製作の為の技術研修や支援を行います.利用可能時間を拡大するつもりです.そして新たな活動として,ものづくり工房と実習工場を利用した各種のプロジェクトに対する支援を行います.

 その2は,学外社会人教育に対しての活動です.地域産業界と連携した,公開講座などによる社会人教育を企画します.それから小中高生へのものづくり啓蒙技術講習会を行います.更には新たに大学院レベルのいわゆる「技術(テクノロジー)と経営(マネジメント)のビジネススクール」を開講します.

 その3は,ものづくりに関する最新の技術を既設の学科,専攻とともに,産業界との連携により,研究・開発します.これは寄附講座および学内協力教員と密接に協力した研究活動です.

 これらの中から,すでに始めている2~3の活動を以下に紹介させていただきます.

 まず,2001年度より,学内の技術部と協力して,中学生向け技術講習会を開催しています.小中学生の理工系離れが社会的問題になっていますが,中学生を対象にものづくりテクノセンター及び学科実験室を開放し,中学生が日常では体験が出来ない,工学と作る喜び,実験の楽しさを提供しています.例えば,「楽しいプレートを作ろう」,「工作機械を使ってペーパーウエイトを作ろう」,など数テーマほどを準備し,2002年も8月に開催しました.

 2つ目は,ものづくりプロジェクト活動支援です.学内の教員・学生の有志が,例えばロボットや自動車などの学外イベントに参加するなど,名古屋工業大学ものづくりテクノセンター名を冠して,ものづくりに深く関連したイベントの全国大会や世界大会に参加することを目指してプロジェクトを立ち上げた場合,学内外より資金的な支援がなくともものづくり工房や,工場の作業場と装置を優先的に利用する便宜をはかります.2002年度は,実践的ものづくり教育を通して若手エンジニアの育成を行う教育的イベントであるフォーミュラカー開発コンテストに学生有志を中心として大学として参加するプロジェクトなど複数の支援をすでに始めております.

 更にものづくりテクノセンターが窓口となって,既設の学科などへ設置される寄附講座と連携してものづくり関連の研究を行います.

 世界のものづくりの中心である東海地区地域産業界の積極的な支援を受けて創設されたものづくりテクノセンターと連携した研究組織として,2002年4月よりエコマシニング寄附講座(オークマ㈱ほか)が開設され,さらに2003年4月より,自動車産業界(トヨタ寄附講座)などから複数の追加開設の予定です.21世紀のものづくりに対する新たな社会的課題であるリサイクル,環境問題に対応した実践教育を行う為や,超先端技術を系統的,効率的に教授する方法を確立し,世界に誇るべき我が国の熟練技術解明しを次の世代へ伝承するため実践教育を行うためなどの研究です.

 そして2002年度秋からは,大学院レベルのいわゆる「技術と経営ビジネススクール」の一環として,大学院講義「ものづくり経営論」を東海地区の代表的企業経営者の方々に講師としてご協力いただき開催します.大学院の講義ですが,公開講座形式で,大学院生のほかに聴講を希望される社会人の方にも無料で受講していただけるように企画しました.学内外での更に一層の展開も模索します.そのほか先端技術に関する講義や講習も順次,各種操置の充実を画るともに社会人対応の実践講座として開講するつもりです.

 以上により,本センターの活動の一端を紹介させていただきました.