FSAEとは
FSAEは、教室の中だけでは生きた知識が身につかず、優秀なエンジニアが育たないということに気づいたアメリカで1982年に第1回が開催された非常に歴史のある大会です。フォーミュラカーの設計・製作を通じて、学生に仮想企業を運営させ実践的で生きたものづくりの知識を習得させることを目的とした『ものづくりによる実践的な学生教育プログラム』という位置付けにあります。
現在、アメリカでは国内外含め120を超えるチームが参加し、イギリス、オーストラリア、ドイツなどでも同じルールで行なわれる国際的な大会となっています。
全日本学生フォーミュラ大会とは

全日本学生フォーミュラ大会はFormula SAEを模範としFormula SAEと同様のルールで、社団法人自動車技術会が主催し日本で行われる大会です。
FSAE同様、全日本学生フォーミュラ大会では、学生のチームが学生のみの力で、小型のフォーミュラカーを設計・製作したものを持ち寄り、車の走行性能だけでなく車両コンセプトやそれを実現する設計内容、生産コストなどありとあらゆる項目を審査することでものづくりの総合力を競う大会となっています。
全日本学生フォーミュラ大会の競技と審査
競技科目 | 競技の詳細 | 点数配分 | |
車検 |
①車両の安全・設計要件の適用 ②ドライバーの5秒以内脱出 ③ブレーキ試験(4輪ロック) ④騒音試験(所定の条件で排気音110dB以下) ⑤チルトテーブル試験 (車両45度傾斜で燃料漏れなし。60度傾斜で転覆しない) |
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動的審査 | アクセラレーション |
75mの直線コースによる加速性能評価。 各チーム2名のドライバーがそれぞれ2回、計4回走行可能。ベストタイムを競う。 |
100 |
スキッドパッド |
8の字コースによるコーナリング性能評価。 各チーム2名のドライバーがそれぞれ2回、計4回走行可能。ベストタイムを競う。 |
75 | |
オートクロス | 直線・
直線・ターン・スラローム・シケインなどによる約800mのコースを1周走行する。 各チーム2名のドライバーがそれぞれ2回、計4回走行可能。ベストタイムを競う。 オートクロスの結果でエンデュランスの走順が決まる。 |
125 | |
エンデュランス |
オートクロスとほぼ同じ1周約1000mの周回路を2名のドライバーで20周走行する。 走行タイムによって車の全体性能と、信頼性を評価する。 |
275 | |
燃費 | エンデュランス走行時の燃料・電力消費量を評価する。 | 100 | |
静的審査 | デザイン(設計) |
事前に提出した設計資料と車両をもとに、どのような技術を採用し、どのような工夫をしているか、またその採用した技術が市場性のある妥当なものかを評価する。 具体的には、車体および構成部品の設計の適切さ、革新性、加工性、補修性、組立性などについて口頭試問する。 |
150 |
コスト |
事前にかかった費用をまとめたコストレポートを事前に提出。 大会当日に車両を見ながら、製造コスト・コストレポートの精度等を確認するとともに、部品製造プロセスなどの口頭試問を行い、それらの知識・理解度を評価する。 |
100 | |
プレゼンテーション | 『審査のコンセプトに沿い、製造会社の役員に設計上の優れていることを確信させる』という仮想のシチュエーションの下で車両をアピールするプレゼンテーションを行う。 | 75 | |
合計 | 動的審査、静的審査の合計得点の上位6チームが表彰台です。 | 1000 |
